ヒロシニコ山

死霊の鏡/ブギーマンのヒロシニコ山のレビュー・感想・評価

死霊の鏡/ブギーマン(1980年製作の映画)
5.0
80年代のウーリー・ロメルの立ち位置を決定づけてしまった一本。『ハロウィン』にあやかったこの映画がヒットしていなければ、ロメルはどんな時代を過ごしたのだろうか。この時期のロメルはアンディ・ウォーホルやウィリアム・バロウズ、そしてミック・ジャガー(!)らと交流しており、NYカルチャーの中心地に居座っていた。ウォーホルはロメルを「ドイツから来たカウボーイ」と呼び、大層気に入っていたそうな。男前だからね、ロメル…。その交流は本作にも反映されており、バスルームで女性が死ぬシーンの編集はなんとウィリアム・バロウズが行なっている。カットアップの旗手であったバロウズが映画の編集を行なっている…という点にも価値を見出したい。ロメル最大の商業的成功作である本作は、2本の続編(2作目はノンクレジットでロメルが共同監督)と2016年にはシリーズ『Boogeyman Reincarnation』としてリメイクされている。全64エピソード(Ep.1はロメルが監督)とブチ上げられたこのシリーズは、残念ながらロメルの死没により暗礁に乗り上げたのか、本編を観たものはいない…。
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