ベビーパウダー山崎

ティンメン/事の起こりはキャデラックのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
『レザボア・ドッグス』前にタラ坊が参考にしたらしいが、見てみると構成とか展開ではなくて、おそらくダイナーで死ぬほどどうでもいい話を延々と続けているくだりに影響を受けたんじゃないかと勝手に推測。80年代最高のリチャード・ドレイファスとダニー・デヴィートが嫌がらせを仕掛けながらも、どちらにも生活はあって、日々は厳しく最低だけどそれでも生きていかなければならなくて、人生の折り返し地点をすでに回ってしまった中年二人が社会(アメリカ)に押し出さることによって逆に距離が近づいていくコメディ寄りの人間ドラマ。大きなうねりもなく善悪で物語を動かさない、善人でも悪人でもあるのが人で、そのすべてをひっくるめて抱きしめていくバリー・レヴィンソンはもっと評価されてよいと思う。好きな映画。