ワルキューリ

ミルドレッド・ピアースのワルキューリのレビュー・感想・評価

ミルドレッド・ピアース(1945年製作の映画)
4.0
レストランの事業展開で成功したミルドレッド・ベラゴンの夫モンティ・ベラゴンが何者かに射殺され、彼女は参考人として署に呼ばれる。
実は彼女こそが警察に通報した人物であり、因縁のあるビジネスパートナーのウォーリィに濡れ衣を着せる工作をしていたが、彼にはモンモンティを殺す動機がなかったことから元夫のバート・ピアースが疑われる。
それを必死に否定する彼女は、自分とバートとモンティ、そして娘をめぐる因縁を語りだすのだった―――

時代性を含んだ「女(母親)の業と因果」が強烈。男に頼らず、自分の体で稼ぐ強さとそれが実現できるアメリカンドリーム。
その一方、子供に尽くす愛情は何があっても見捨てられない弱さが胸に迫る。
鋼のようなジョーン・クロフォードが時折見せる綻びの自然さが妙技だ。