もとまち

メシア・オブ・ザ・デッドのもとまちのレビュー・感想・評価

メシア・オブ・ザ・デッド(1973年製作の映画)
3.5
メランコリックなムード漂う不条理ホラー。暗い海からやって来た「何か」によって支配された港町、という設定が完全にラブクラフトの世界。あの『ハワード・ザ・ダック』を送り出した夫婦がかつてこんな映画を作っていたとは。死人のように青白い肌をした街の住民たちが、無言でゆっくりと襲い掛かって来る様はかなり怖い。男の喉元を剃刀で掻っ切る少女、死体をトラックで運搬する男、海辺で焚火を囲み「何か」を待つ人々。ジメッとした不穏な恐怖表現は『恐怖の足跡』からの影響がかなり伺え、後のジャパニーズホラーに通ずるようなシーンも見られる。スーパーマーケットと映画館のシーンは評判通りの不気味さ。怪談話を聞いてるみたい。願わくばWHDのようなクソ画質・クソ画角でないまともな品質のソフト化をどうか。
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