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エリート・スクワッドのBalthazarのレビュー・感想・評価

エリート・スクワッド(2007年製作の映画)
4.0
公開時、『アバター』を超えてラテンアメリカ史上最大のヒット作となったという本作。
とにかく、ヒドイ。薄笑いが出るくらいに。
ブラジルという国の恥部・暗部、警察組織の腐れ外道ぶりを「此処までか!」というくらい暴いて見せつけている。だから映画制作にあたっては何度も各方面からの圧力に晒されたそうだ。

リオ・デ・ジャネイロのファベーラではそこらへんの子供たちが銃を持って強盗し、日常的に麻薬を売りさばき……中流家庭のインテリぶったバカ学生どもは面白半分で麻薬に手を出し、盗品を買う。需要と供給。

正義感に燃える若き新人警官のネトとマチアスは、高い志を持って職務を始めようとするが、賄賂に塗れ、堕落しきったブラジル警察の実態、ヤクザも真っ青の腐敗ぶりを目の当たりにして愕然とする。
▪︎毎週金曜日は白バイ巡回して商店の"警備料"集金に勤しむ
▪︎「逮捕されたくなきゃカネ出しな」麻薬ディーラーの上前跳ねる
▪︎パトカーの部品や銃火器、署の備品、押収した証拠品はことごとく横流し
▪︎交通検問で山賊まがいの通行税をせしめる
▪︎捜査資料は山積みほったらかしサボタージュ
▪︎面倒ごとな殺人事件は隣の管区に押し付けて遺体のタライ回し
▪︎"副収入"を巡る警官同士の仁義なき縄張り争い
▪︎事情聴取=拷問「警察さまの言うこと聞かねえと頭からビニール袋被せて窒息死させるぞゴルァ!」
こんな体たらくの警察など、市民は誰も信用しない。やがて2人は漆黒の制服に髑髏カベイラを貫く剣のエンブレムを掲げるエリート部隊BOPEへの入隊を希望する。ナシメント隊長率いるBOPEは外国要人の来訪の前にファベーラのギャング一層作戦に乗り出す所存だ。
しかしマチアス、続編ではあっさり撃ち殺されちゃうんだよな……。後ろからズドンと、同僚に。悪は勝つ!正義は死ぬ!これが現実。
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