Omizu

エリート・スクワッドのOmizuのレビュー・感想・評価

エリート・スクワッド(2007年製作の映画)
3.8
【第58回ベルリン映画祭 金熊賞】
ジョゼ・パジーリャ監督のブラジル映画。ブラジルでは国民的ヒットとなり、ベルリン映画祭最高賞も獲得した。

「これが金熊賞?」という鑑賞前の違和感が全く解消されないが、悪い映画だったからではない。ベルリン映画祭は社会性のある、または実験的な映画を最高賞にするイメージだったので、本作のド直球なエンタメ映画を選ぶというのが意外だったからだ。

普通に面白い。警察のエリート部隊BOPEの司令官を語り手とし、白人で体力のあるネト、アフリカ系で賢いマチアスを描いていく。

時系列操作がしっかりと効果を上げている。二人はどうしてこのような行動をしたのか、気になる始まり方だ。

動き回るカメラ、緩急のある演出、迫力あるアクションと社会派エンタメとして一級の作品。

書いていて思ったが、パッケージングが悪いだけだなコレ。『シティ・オブ・ゴッド』『バクラウ』など南米から社会的格差を描く作品が多く、本作もその例に漏れていない。警察の腐敗、人種差別、階級社会という社会問題を確かな演出で描いていると思う。

真っ当な社会派映画。パッケージングに騙されず観てほしい作品。
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