ダイナ

ハードエイトのダイナのレビュー・感想・評価

ハードエイト(1996年製作の映画)
4.1
PTAの初期作。「マグノリア」や「ゼアウィル〜」で印象的だった父子の関係性が本作にも色濃く映されています。といっても疑似的な繋がりで、父親を失った男(ジョン)に対しての擬似親として金稼ぎのイロハを教え込む男シドニーの関係性がまさに父と子のようであり、ジョンがシドニーに師事していき数年後、とある出来事から空白の過去が明らかになっていくというストーリーは素朴ながらも求心力あり。全てがバチっとハマる!という爽快感とは別ベクトルの無駄の無いすっきりとした因果の収まり具合が小気味よく好印象。

各所で地味とか盛り上がりが薄いとかいう声をよく聞く本作。その点に関しては否定はしませんが、こんな人生の酸い甘いを知り尽くしたジジイが撮りそうな渋みのある一作を当時26歳の監督が撮ったんだからすげえよと。本作の映像(役者・描写)力・上映時間を増したのがジャッキーブラウンのように感じていて、どっちが優れているという話では無いですが片方好きだったら片方オススメできます。
ダイナ

ダイナ