ゆかちん

ブーリン家の姉妹のゆかちんのレビュー・感想・評価

ブーリン家の姉妹(2008年製作の映画)
2.9
日本も世界も、昔は女性はモノ扱いなのかな〜と虚しく。
でも、娘だけでなく息子もモノ扱いだった。
最後、突っ走ったアンも問題あるし、国王も国王で問題だけど、元はといえば、父親と叔父の虚栄心のせい。この2人の欲のせいで、あんな運命辿ることになる子供たちが悲しすぎた。

2008年製作のこの作品、今や主役級の俳優陣の若手時代の作品。みんな綺麗。
彼女らを見るだけでも価値があるかも。
全カットされてしまったけど、スパイダーマンになる前のアンドリュー・ガーフィールドもいたよう。見せてほしかったな。

世界史で名前は知ってたけど、こんなドロドロなんやね〜となりました。



16世紀イングランド。新興貴族のブーリン家は、妻はいるものの世継ぎに恵まれない国王ヘンリー8世(エリック・バナ)に長女アン(ナタリー・ポートマン)を差し出す。彼女が世継ぎの男児を産めば、一族は富と名声が得られるからだ。しかし、王が目をかけたのはアンの妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン)で……。



ナタリー・ポートマンがイギリス・アクセントぽく話してた。
しかし、ナタリー、アン役似合うな〜。
賢い女性で、自分の意見もある。
上昇志向があり、貴族に嫁ぐことを目指す。
弟妹想いの良い子。
…てところから、
国王がメアリーに目をかけたところからのヤキモチ。
上昇志向が、よくない方に強まり、手段を選ばずのし上がろうとする小賢しさに。
…て変化し、その時の企んでる魔性の女の演技が見事でした。
煌びやかさ華やかさもあり、力に取り憑かれたような演技は迫力がある。そこからの惨めな雰囲気もガッツリと出てたし。
さすがナタリー・ポートマン。
冷静にみたら、やり過ぎでは…なんだけど、彼女の性格だからそうなんだろうなと謎に納得させられる演技でした。

フランスに追放された時に母がアンに言った
「声高に主張せず 男を立てること
 それが女の武器よ」
という言葉が、ううむ…と。
なんか虚しいな。
でも、立てられて良い気になってる男も虚しいな笑。操られてるとは知らないで、て。
その通りフランスで駆け引きを学んできたのか、イギリスに戻ったアンは、王を翻弄しだし、アンをも田舎に追いやる。
あの母の言葉が良かったのか悪かったのか。
ある種の復讐心を持ったアンにはどう響いたのかなと。


アンとは対照的なメアリーに、スカーレット・ヨハンソン。
絵に描いたような綺麗で従順な女の子。
男性にモテそうなのは確かにメアリーだ笑。
でも、綺麗なだけで頭空っぽかといえばそうではなく、ちゃんと芯はあって、周りを見る力もあって、賢いといえば賢い。
アンよりメアリーの方が自分の幸せを理解した地に足がついたタイプなのかも。
スカヨハ、ばり美人でセクシー。
でも、若い頃は、従順というか男性に喜ばれそうな役の方が多いのかな。
スカヨハの役の中では、ブラック・ウィドウが一番好きだ笑。

しかし、いきなり周りから知られる不倫させられるのキツイな。
でも、相手がエリック・バナならまだ良いのかな笑。
なんか愚かなヘンリー8世でした。
エリック・バナは渋かっこよかったけど、ヘンリー8世はクズ野郎だな。


そうそう、スカヨハ周りの脇役に驚いた!
メアリーの最初の夫に、ベネディクト・カンバーバッチ。
声で気づいて驚いた。
カンバーバッチ先生がこんなチョイ役?て笑。
彼も立ち向かわなかったとはいえ、当時の王の強さを考えると抵抗は難しいよな〜。振り回されてしまった人だね。
そして、お城で働き、そこから後にメアリーと結婚して幸せになるスタッフォード公役にエディ・レッドメイン!
こちらもそんな出番は多くないけど、エディならこの役わかるわ〜ってなった笑。
スタッフォード公素敵すぎ。
ブラック・ウィドウとドクター・ストレンジとしては共演はしてないのか。。
でも、ブラック・ウィドウとドクター・ストレンジとファンタビのニュート!てなった笑。
そう考えたら、アンはソーか。

あと、弟ジョージにジム・スタージェス。
柔らかい雰囲気がカッコいい。
てか、史実はどうかわからないけど、この映画通りだったら、ジョージ可哀想すぎないか??
好きでもない女の人と政略結婚させられて、姉の命を守るために…でも断って未遂で終わったのにその罪をきせられて断首て。
史実でジョージは断首とあるから、そこは動かせないんだろうけど。


ブーリン家の父トーマスにマーク・ライランスてのも良かったな。頼りない感じがまた。


こんなドロドロ壮絶な人生で悲劇的な最期を遂げたアン・ブーリン。
しかし、彼女の娘が後にエリザベス1世となり、イングランドの黄金期と語られる統治をしたというのも、なんか凄いな〜と。アンの怨念なのか。
世継ぎの男の子を求めて不倫したり正妻を追いやったヘンリー8世への強烈な皮肉って感じ。
あと、イングランドがカトリックと断絶し、イギリス国教会が出来たのもアンきっかけてことで。
歴史を動かした人ではある。


この映画がどこまで史実と近いのかはわからんけど、なんか歴史の裏は色々ドロドロやな〜って思いました笑。
そのドロドロを割とスッと見れるよう、各々の人物の差を出しながらまとめたなという印象。
豪華な衣装や装飾品、俳優陣の美しさと演技、当時だからこそのキャスティングって感じで、観る価値はあるなと。
ゆかちん

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