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動くな、死ね、甦れ!の346のレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
4.2
え?古い映画じゃなかったの?
と、観終わって調べてびっくりした。

荒さが絶妙で、本当にあの時代をそののままフィルムに閉じ込めたかのような息苦しさが充満してて。
だからこそ、あのふたりの無垢な命の輝きに心が打たれてしまった。

鑑賞したというより、体験しただろうか。あの列車に仕掛けたイタズラ後の主人公の表情とか、俺もおんなじ顔して観てたと思うし。

でもね。
そんなに感激屋でもないから、全部よかった!みたいなことでもなく。だから言うけど、やっぱりこのタイトルはどうなの?もっと、なんかなかったのかな。訳したときに日本語のイメージと合わなかっただけで、ロシア語だと、もっと詩的な印象なのかもしれないけれど。それなら、直訳じゃなくてなにか、邦題つけてもよかった気がする。

いま調べてみたら、監督は「守護天使」にしようかとも悩んでたみたいだけど。んー。それも直接的すぎるかな。まぁ、それでも、そのタイトルをつけたくなる気持ちも分からなくないというか、ヒロインのガリーヤがそれはそれは素晴らしくて。もう、ほんと。彼女の存在がというか、それだけで、この映画の全てと言ってもいいぐらいに、あの光に、強さに、優しさに、惹かれてしまいました。最後の方は本当にガリーヤが可愛くてもう。

だからこそ、あのラストの描き方は下手でしょ!って、むかついた。
あの衝撃はいい。儚さが光の強さを伝えることもあると思う。ただ、それにしても、説明不足というか、音もそれに聞こえないし、誰か分からなすぎるし。想像したらわかるじゃん?じゃなくて、そこは、想像させるとこじゃないだろ?と思う。一瞬でいいから追っ手を描けよ。
いや違う!と。二人のシーンが美しいから茶々をいれたくなかったんだ。ってことかもしれない。でも、もしそうなら、その手前に、あの男たちが二人の追跡を続けるという描写を挿入しとけよ。と少し感情的になるぐらいに、好きな映画でした。というか、ガリーヤに惚れてました。
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