イチロヲ

ゴースト・イン・京都のイチロヲのレビュー・感想・評価

ゴースト・イン・京都(1982年製作の映画)
4.0
日本文化を研究するため、妻子と共に来日したアメリカ人作家が、居住先の武家屋敷にて怨霊の憑依現象に見舞われてしまう。トラディショナル・ジャパンをフィーチャーしている、ホラーハウス映画。

屋敷に居合わせた外国人が、和製ポルターガイストに遭遇するというスタイル。因果応報により同じ家系に属する人間が祟られてしまう、というジャパニーズ怪談の様式美を期待させられるが、残念ながらそのようなシナリオではない。

東映京都撮影所が協力しているため、日本描写は至ってマトモだが、屋敷内を徘徊する半透明の幽霊(服部まこ)がいちいち笑いのツボを突いてくる。合成映像を駆使して、幽霊によるポルターガイスト現象を露骨に見せてくる演出もサイコーに笑える。

海女さんを幽霊に幻視した主人公が海の中にダイブするシーンと真夜中に蟹の襲撃に遭うシーンが出色。欲を言えば、「素足で畳の上を歩いたときの感触」が外国の観客にも伝わるようにして欲しかった。
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