NicoJay

アフガンのNicoJayのネタバレレビュー・内容・結末

アフガン(2005年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ロシア国防省の協力を得たという映像は見応えあり。
ただし戦争の悲惨さがクローズアップされており、観て楽しい作品ではありません。

モチーフは1988年初頭の「Battle for Hill 3234」と呼ばれる戦い。
ソ連軍(当時)の指揮官が最も重要な地点のひとつに指定した、アフガニスタン内にある高さ3234mの丘を巡る攻防戦です。
輸送団の安全な通過を確保するため、その丘の頂上へ拠点構築および保持する任務にあたったのが、空挺連隊第9中隊の39名(うち主人公ら新兵は7名)。
1988年1月、約250人のイスラム主義武装勢力がそこへ攻め込み激しい戦闘に。

映画では、主人公で新兵のリーダー格オレグ・ルタエフ二等兵が負傷しながらもただひとり生き残りますが、戦闘直後に現地を訪れた大佐からソ連軍はすでにアフガニスタンから撤退し始めているため輸送団は通過しないと言われ、仲間たちの死の無意味さに激しく慟哭します。

一方、史実によると第9中隊39名のうち戦死6名、負傷28名。
その点、あたかも38名の兵士が命を落としたかのような描き方は、退役軍人からフィクションが多すぎると指摘されたそうです。
(イスラム主義武装勢力側は200人以上が死亡)

ロケ地はクリミア、カザフスタン、ウズベキスタンそしてモスクワ。
撮影期間2004年5月25日から10月12日。
この映画の制作費は950万ドルで、最も費用がかかったシーンはミサイル攻撃を受けた輸送機(復員兵たちが搭乗)の爆発シーンで約45万ドル。
ただし史実では、輸送機こそ重大な損傷を受けて運航停止となりましたが、搭乗者に負傷した者はいなかったらしいです。

上述のように映像には観るべきものがありますけど、観終えての感想は「戦争は地獄だ」ということくらいでした。
NicoJay

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