がちゃん

フライド・グリーン・トマトのがちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
これは近頃の作品(90年代の作品は僕にとっては近頃なのです)の中では、本当にしみじみといいなあと感じられる作品です。

義理の叔母の見舞いで夫とともに老人保健施設に訪れたキャシー・ベイツ。
その施設で83歳で溌溂とした老女ジェシカ・タンディと出会い、
彼女の昔話を聞かされる。

'30年代、アラバマ州の片田舎で、黒人らも雇い大衆食堂を営業していたメアリー・スチュアート・マスターソンと、彼女の兄の恋人だったメアリー・ルイーズ・パーカーの二人の物語だった。

スチュアート・マスターソンは、不幸な事故で兄を失った影響からか、
とても勝気でへそ曲がりだけど正義感は強い女性に成長していった。

ルイーズ・パーカーのほうは、牧師の娘で、おとなしく控えめな女性だったが、スチュアート・マスターソンと深く付き合うようになり、快活な女性へと変わっていった。

ジェシカ・タンディの、そんな話を聞いていくうちに、キャシー・ベイツも魅力的な女性へと変わっていく。

キャシー・ベイツの夫は、妻にまったく関心を持たず、仕事から帰ってきては、テレビの前で野球を観ながら一人で食事をするような夫。

キャシー・ベイツは、そんな夫の関心を惹こうと、いろんな講演に出かけて実践しようとするが、そんな講演よりもジェシカ・タンディの昔話のほうが力を持っていた。

スチュアート・マスターソンとルイーズ・パーカーの二人の友情がとてもよく描かれており、お約束だが、黒人のメイドの扱いなどもいい。

黒人の使用人が店で焼く、
とてもでかいバーベキューがとても美味しそう。

ルイーズ・パーカーは劇中、
DV夫と結婚してしまうが、
スチュアート・マスターソンらが引き戻す。
そして、その夫が消息不明になってしまうという、
ミステリー・サスペンスの要素もある。

施設を出ることになったジェシカ・パーカーだったが、帰るべき家はすでに取り壊されており、さあ、どうするということで、
このあととても素敵なハッピー・エンドが待っている。

ほんとうにほっこりする名作です。
おススメ!
がちゃん

がちゃん