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殺し屋とセールスマンの一人旅のレビュー・感想・評価

殺し屋とセールスマン(1973年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
エドゥアール・モリナロ監督作。

殺し屋とセールスマンの奇妙な出逢いと関わりを描いたコメディ。

フランシス・ヴェベールが舞台用に書き下ろしたシナリオをエドゥアール・モリナロ監督が映像化したフレンチコメディで、名優:リノ・ヴァンチュラが一人のセールスマンに翻弄される殺し屋を好演しています。

裁判に出廷予定の男を暗殺するためホテルにチェックインした殺し屋。ちょうど同じ頃、愛する妻に逃げられ人生に絶望するワイシャツの中年セールスマンも殺し屋の隣の部屋を取っていた。ホテルの向かいにターゲットが現れるまで準備に余念がない殺し屋だったが、隣室のセールスマンが妻に逃げられたショックで首吊り自殺を図ったことでひと騒動に発展。暗殺実行を前に予想外に邪魔が入った殺し屋は、ひどく落ち込むセールスマンを何かと介抱するはめになって…というお話で、『パートナーズ』『奇人たちの晩餐会』『ルビー&カンタン』の脚本を手掛けたフランシス・ヴェベールらしい“巻き込まれ型バディコメディ”になっています。

暗殺直前の殺し屋と自殺目前のセールスマンという異色の組合せが愉快な化学反応を生み出す異色のコメディ作品で、苦虫を嚙み潰したような顔をしながらも結果的にセールスマンの命を救い出してしまう殺し屋の翻弄され具合がユーモラスですし、殺し屋を命の恩人として敬愛し始めるセールスマンの粘着質な行動でも笑わせてくれます。

主演のリノ・ヴァンチュラが終始鬼のような表情で主人公の殺し屋を演じ切っています。相手役のジャック・ブレルは元々シャンソン歌手として有名な人物ですが、本作では殺し屋を翻弄しまくる自殺願望セールスマンを怪演しています(音楽も担当)。
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