yuuuumi

シラノ恋愛操作団のyuuuumiのレビュー・感想・評価

シラノ恋愛操作団(2010年製作の映画)
4.0
『あなたの恋を私が成就させます』という、シラノエージェンシーの活躍を描いたラブコメディ。

ドラマや映画の俳優達がカッコ良いのは台本にあるセリフ通りに動いていると依頼者に説明する場面がまるで舞台上のセリフのようだと感じましたが、この作品の主人公ビョンフン(オム・テウン)が劇場で活躍する俳優という設定だということに納得しました。

物語序盤ですでになにこれ?これこそが恋愛のかけひき!!毎日偶然を装って顔を見せたり、偶然を装って偶然出会ったり、こんなにクスッとなって、少しのドキドキを味わえ、現実にこんなことあったらいいな~と思える作品は久しぶりでした。

しかし、恋愛操作団である主人公が受けた依頼は、元カノとの恋愛成就の依頼であり、そこから依頼主に嫉妬したり、イライラしたり、実は恋愛に不器用なのは誰でも同じだと思わせてくれるところがこの作品の良いところだと感じます。

元カノ(元カレ)が、たとえ別れていても他の人と一緒にいたり、楽しそうにしている姿は面白くないもの。昔の想い出を思い出してみたり、そんな淡い感情を表現してみせたオム・テウンはうまいな~と感じました。

この作品のテーマとなっている、『シラノ・ド・ベルジュラック』というフランスの戯曲。文才のあるシラノは自分と同じ相手に恋した人の為にラブレターを代筆するという切ない物語が背景にあり、シラノはその相手に告白できずにいたということから、この作品の主人公と重なる部分を描いた作品。

だけど恋愛は台本通りにはいかないもの。どれだけ相手の人に心の中の気持ちを打ち明けられるか、自分の言葉で伝えられるか、会いたいと思えるか。感情的に行動できるのが恋愛の素敵なところ。
この作品は、そういう淡い気持ちをそっと想い浮かべさせてくれた、オシャレで素敵な作品でした。
yuuuumi

yuuuumi