自殺した少年への復讐という割にはあまりにも一方的で、とどのつまりやってることはレ○プ殺人なので引いてしまう羽目に。それでも一般論や常識よりも生の感情から引き出される情念を重んじる加藤泰監督の心情が殺しを行う佐藤允から凄まじい迫力を伴って引き出され、何かとてつもない感情をぶつけられているような嫌な気分に。
主人公の行為が単なる暴走行為にしか見えなかった私は最後までドン引き状態だったけれど、映画から溢れる異様な迫力と冷たい白黒の映像、ローアングルを駆使した迫力ある殺害場面は一生忘れないと思う。
でもこの映画に倒錯した感情をもたらすのが、この映画の構成に山田洋次が参加しているということ。