スガル

代理人のスガルのレビュー・感想・評価

代理人(1995年製作の映画)
4.1
思ってたよりすごい映画でした。
この監督さんすごいと思いました。
脚本の人もいいからかも。ダコタファニング出てた映画の監督だし。

前半でうるうるするシーンがいくつもあって、判決決まった時は泣きました。
どっちの立場も理解できるし難しい問題だと思いながら観てたんです。
あの判決で感動する自分に少し驚く感じ。逆だったら感動したんでしょうか?
白人家庭を応援してたしがんばって欲しいと思っていたけど、やっぱりハルベリーの方が応援してたのかも。白人より恵まれていない立場で、もがきながらがんばっていたからだと思います。

ハルベリーがアミールに対してもやさしくするところよかったです。ひどい世界だけどがんばってと言うところ。

親と子が離れるということは人間にとって理屈を超えたあってはならないものに思えます。環境が大事だとは言っても。
この映画ではイザヤが幼いから描かれてなかったけど、イザヤも大人になれば実の親に無性に会いたいと願うんだろうなと想像しました。

ハルベリーが麻薬をやめて人間らしく生きていこうとしてる姿を見て、自分も見習いたいと思いました。少し元気を貰えたと同時に反省も。

子どもというのはすごく大事な存在なんですね。軽く考えれるものではないんだと実感します。恵まれた環境で愛情があればいいのかと言われたらそうじゃない気もします。肉親を大事にするところは生物的な秩序にも繋がってるからかな。理屈を超えたもの。反面、冒頭で匂わされてたように実の親が虐待する現実とかもあるから複雑です。

サンドラさんの少し似た設定の映画がありましたがこの映画を観ると改めて薄っぺらい映画だったなと思いました。



あと、この映画で有色人種かそうでないかの問題もポイントになっていました。
本来肌の色は誰もが意識せずに生きていくのが理想ですが、現実的には色々問題があるんだと考えさせられました。
個人的に、グローバリズムというのかすべての人は同じ価値観世界観であって欲しいと思っています。それぞれの国や文化を大事にする以前に当たり前に大事にするべき価値観があると思います。
アイデンティティを持つ過程も大事になるのかなと少し考えさせられました。人間は未熟?だから他人を大事にするにはまず自分を大事にしなければならない。自分を認める過程において肌の色や歴史は大事になってくるのかもと思いました。
肌の色を気にせず等しく愛するという教育はどうしても表面的になってしまうのかも。肌の色を意識して見つめることによって初めて違う人を愛せるようになるというか。
この映画では黒人の文化を教えていないところを突かれていました。教育の質も大事だろうからなかなか難しいです。
スガル

スガル