フジタジュンコ

ダラパティ/踊るゴッドファーザーのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

4.8
「ムトゥ」のおかげでサブタイトルに「踊る」がついてますが、このクソみたいな(失礼)サブタイトルを吹き飛ばすハードでシリアスなノワール作品。

"SUPER STAR RAJINI"の例のクレジットもないし、ラジニ様は笑わないし激昂するし怒鳴り散らすし、決めセリフはないし、動作にシュバッとかビシッとかいつものSEもついてないのですが、タミルのスーパースター・ラジニ様とマラヤーラム語映画の大スター・マンムーティの演技バトルがアツい。マンムーティさんはこの作品で初めて見ましたが、画面にうつるとブワッと空気が変わるような存在感がありますね。

インド南部ならではの暴力表現も容赦なく、孤児でありアウトローとして生きるしかなかった男の悲しみ、その中でやっと得た男同士の絆と仁義、家族愛、失恋、寡婦の苦しみと癒やし……情報量が多すぎてクラクラするのですが、これが「エモい」ってやつですよ…!!!!!!

個人的にはこれまで見たラジニ様主演作品の中で一番好きです。冒頭からラストシーンまで1秒たりとも目が離せず、夢中で見入ってしまいました。