KnightsofOdessa

鮮血!!悪魔の爪のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

鮮血!!悪魔の爪(1970年製作の映画)
3.0
[悪魔憑きと子供殺人] 60点

フォークホラー映画の"Unholy Trinity"と呼ばれる三作品の一つ。残りは『Witchfinder General』『ウィッカーマン』らしい。舞台は18世紀イギリスの田舎町。畑を耕していた青年が、隅の方に鳥が集まってるのを見に行くと、そこには目玉と灰色の毛だけ残ったおぞましい頭蓋骨が埋まってた…という冒頭で、いきなり『ブルーベルベット』を超えてくる。その後も、突然狂って精神病院送りになった少女が、虚空を見つめていたのにいきなりカメラに向き直る瞬間のヌルッとした感じとか凄く良い。製作当時イギリスを騒がせていた少女による幼児殺害事件、通称"メアリー・ベル事件"にインスピレーションを受けたらしく、中盤以降は悪魔の爪を発見した少女エンジェル・ブレイクを中心にした小規模カルトについての物語へと変貌していく。エンジェルを演じるリンダ・ヘイドンの超絶美少女っぷりがエゲツなく、カルトの中心人物として申し分のないカリスマ性があるんだが、村人に悪魔の身体の一部が乗り移るのでそのパーツを集めて完全体にするというディアゴスティーニみたいな設定はカリスマ性の欠片もなくて笑ってしまった。初登場時の印象がそれほど良くない判事が、"ちょっと街に行ってくるわ"と言って村を去り、終盤でエクソシストとして帰ってくるのも新しかった。こういう人ってすぐに死ぬか悪役のことが多いので、ちゃんと法の番人が法の番人然としてて良い。
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