ギズモX

ハリウッド・ブルバードのギズモXのレビュー・感想・評価

ハリウッド・ブルバード(1976年製作の映画)
3.8
【ハリウッドなんて大っ嫌い!】

ジョナサンデミ、ロンハワードなどの数々の名監督を世に送り出したニューワールドピクチャーズのコメディ映画。

《スターウォーズが公開される直前のハリウッド。
一流女優になるため遠路はるばるとハリウッドにやってきた主人公の少女が入社したのは、Z級映画ばかり制作する、安さと下品がウリのオンボロ映画会社だった!
はたして彼女は様々な困難を乗り越えて一流女優になれるのか?》
そんな感じのミュージカルのないロジャーコーマン版『ララランド』な物語。

ニューワールドピクチャーズで最も低予算(約6万ドル)で作られ、その殆どが他作品の切り抜きと資料映像の使い回しでできた本作。
この上ない程超安上がりな作品に仕上がっている。

ニューワールドピクチャーズの下らない日常をコメディにして映した物語。
狂気に満ちた撮影現場と舞台裏が酷いのなんのって。
映画として撮ることで日頃の鬱憤を晴らしたいんだろうなあってのがひしひしと伝わってきます。

監督はジョーダンテとアランアーカッシュで二人の初監督作品だ。
映画が始まってすぐにカートゥーンアニメによくあるガケ落ち演出をやっており(※しっかりと人型の穴が掘られてある)
最初に観た時は一瞬で(あ、これはジョーダンテだな)と思った。
そのほかにも主要人物がスクリーンで映画を観ていたりと、ダンテのお決まりの演出がこの時既に形付けられているのも特徴です。

本作で一番ハマり役だったのはディックミラーだろう。
いつも変な奴だったり、悪い奴ばっかり演じていた彼がこの映画では主人公達を支える面白い人を演じており、ラストのロビーザロボットとの会話はとても微笑ましい。
あと劇中にゴジラそっくりのパチモンも登場する。
よく東宝から訴えられなかったな。

余談

『ララランド』でライアンゴズリング達が映画館で『理由なき反抗』を見ていたら、途中でフィルムが焼き切れてしまったシーンがあったが、あれはこの映画の中にある1シーンのオマージュではないかと勝手に思っています。
確信はないよ。
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