ドナウ

シルバー・グローブ/銀の惑星のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

あまりにも監督が時間と予算を注ぎ込み、作品に入れ込みすぎたために国から制作中止を告げられたという曰く付きの作品で、冒頭の注意書きからまさにメトロポリス。カメラへ向けられた視線と汚泥、他の惑星の出来事に地球の歴史を投影したような作りも相まってどうしても神々のたそがれを思い起こしてしまう。映画や演技というものを意識しつつ人間の起源や争いや対立、宗教と偶像を描いていたのだろうけど如何せん膨大な量の難解な言葉が土砂のように押し寄せて来て早々に匙を投げた。頽廃的なロケ地や捉えられた映像は魅力的で時間も難解さも全く気にならない。神と祭り上げられる者も結局は人間で死によって偶像になる。神と悪魔は裏表、こちらの神は向こうの悪魔。原住民、異教徒との終わることのない生存競争は共存という道を見えなくしてしまう。仲間同士殺し合う生き物には土台共存なんてことは無理だろう。いっその事字幕オフにして奇妙で不気味な映像、演技、衣装やメイク、流麗な言葉の響きを感じた方がいいのかもしれない。そういえば異形と人間の交わりはポゼッションでも描かれていたっけ。

ちょっとだけ日本のアングラの雰囲気を感じた、ふんどしとか暗黒舞踏や特撮っぽさとか。
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