たけちゃん

ゴーストのたけちゃんのレビュー・感想・評価

ゴースト(1997年製作の映画)
5.0
幽霊は信じない?


スタン・ウィンストン監督 1997年製作
原案マイケル・ジャクソン、スティーブン・キング
主演マイケル・ジャクソン


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、6月15日は視覚効果の神様スタン・ウィンストンの命日です。この方にどれほど楽しませていただいたのか!その恩恵は計り知れない( ˘ ˘ )ウンウン


【スタン・ウィンストン】
1946年4月7日にバージニア州のアーリントンで生まれました。
俳優を志したのに、成功のチャンスがないと特殊効果の分野に転向したというのがすごいです。なかなか自分を客観的に評価して道を変えるのは難しいですからね。特に、俳優を志すような人は……。
そして、「ターミネーター」に出会うんです。
あのあのシュワちゃんのターミネーターメイクやスケルトン・ターミネーターはスタンの製作。
「ターミネーター」のメイキングで、シュワちゃんがスタンに出会った時の話を語っていたけど、あの顔の機械メイクは、衝撃だった様ですね。
そりゃそうだ。
あんなの観たことなかったもんね~。
でも、この時、スタンは既に38歳。
ここまで来るのに苦労したんでしょうね。

ここからの活躍ぶりはみなさんもご存知。
「エイリアン2」でアカデミー賞視覚効果賞を
「ターミネーター2」ではアカデミー賞視覚効果賞とメイクアップ賞を受賞。
「ジュラシック・パーク」でもアカデミー賞視覚効果賞を受賞しました。

2008年6月15日に、骨髄腫により、まだ62歳という若さで亡くなりました。本当に残念でしたよ。特殊メイクアップなら、まだまだ出来たと思いますもんね。

そのスタン・ウィンストンが監督した作品があるんですよね。それがマイケル・ジャクソンの「Ghost」です。
今日はそれを紹介しましょう\(^o^)/






さて、映画です。
ここからはマイケルの話になりますよ(ˆωˆ )フフフ…

この作品、幻のショートムービーとも言われていて世間的な認知度の低いものなんですが、あの傑作「スリラー」に比肩する凄い作品なんです。

なぜ、幻のショートムービーと言われたかと言うと、マイケルの作品なのに、当時、劇場での公開もなく、カンヌ映画祭で上映された後、ひっそりとビデオ化され、あまり流通することも無く、廃盤となりました。
それは、当時、マイケルが抱えていた"児童虐待事件"の影響が少なくありません。
1993年8月に性的虐待の訴訟を起こされ、ツアーも中止。結局、マイケルは金銭による示談に持ち込みました。これがマイケルに対する不信を更に増長してしまいましたよね。
この「ゴースト」はそんな時期に製作されました。元々は、1993年発表の「アダムス・ファミリー2」用の曲として準備されたそうで、事件によりカット。その代わりにオリジナル映画として作られたので、その訴訟を想起するようなストーリーになっています。そこがまた幻となった所以です。


MV版の4分半のショートバージョンは、僕も持っているんですが、マイケルの死後にマイケルの映像作品を集めた「VISION」というDVDBOXが発表され、その中に収録されているもので観ることができます。これ今ならApple Musicでも観られますよ。
でも、40分のフルバージョンは国内盤は未だに円盤化されず、VHSとかAma〇onで異常な高値となっていますからね。


今回、僕が観たのは、以前WOWOWがマイケル・ジャクソン・フォーエバーとして放送したものを録画して持っていたものです。押し入れを探しましたよ(笑)
マイケルの死は悲しかったけど、こうして特番が組まれ、未公開のものが観られたのは嬉しかったんですよね~。


原案はマイケルと、なんと、スティーブン・キング。そして、監督がスタン・ウィンストンです。

マイケルのMVは、例えば「スリラー」や「Black & White」はジョン・ランディス、「BAD」がマーティン・スコセッシ、「Who Is It」はデヴィッド・フィンチャー、「They Don't Care About Us」がスパイク・リーと、時々、ビックリする人が監督してるんですが、これもそうです。ちなみに、そのいずれもMVレベルじゃないので、フィルマの皆さんにも観て欲しいですよ。


今作「ゴースト」は、先に書いたように、マイケルへの"性的虐待訴訟"を想起するストーリー展開になっています。そこを深読みするのもありですが、僕はしません。

だって、マイケルのパフォーマンスを純粋に楽しみたいですからね。
そう思って観ると、今作は凄いですよ!

まず、マイケルは1人で5役を演じています。
そこで活躍するのがスタン・ウィンストンのメイクアップです。

まずはマイケルの姿のマエストロ
まるで「マスク」のスタンリー・イプキスのように顔が変わります(笑)

市長もマイケル
この市長がマイケルの対極にいるんですよね。
でも、途中でゴーストに体乗っ取られて(笑)、踊り出すとやっぱりマイケル(ˆωˆ )フフフ…

あと、市長のグール
スーパーグール
スケルトン

と、みんなマイケルです(ˆωˆ )フフフ…


とにかく、ダンスが圧巻で、マイケルのダンスの集大成。スリラーダンスの完成形なんです。

骸骨となったマイケルのダンスとか素晴らしい。
これはブルーバックで踊ったものを、後から処理。得意のムーンウォークも披露(^-^)
そして、周りのダンサーたちのメイクアップも本当に凄くて、流石のスタン・ウィンストン。
ダンスの迫力で怖がらせるって、斬新!






音ネタ💩ウンチクンです( ̄^ ̄ゞ

使われた楽曲は……
まず、ゴーストたちを従えて歌い、踊る「2 BAD」の映画バージョン。ここは、あたかも「スリラー」パート2のようでもありましたね。進化したマイケルのダンスが凄いです!
このダンスは、この映画内でしか観られないので、それだけでも今作を観て欲しいんですよ。
あの首をクネクネするのも良いよね(ˆωˆ )フフフ…

壁を登っていく演出とか、映画的にもよくできています。全編、特撮( ˘ ˘ )ウンウン


エンディングで流れるのが「Ghost」です。
そこではメイキング映像が流れますので、そこも必見。市長のメイクはもう被り物ですよね(笑)
マイケルのみならず、若き日のスタン・ウィンストンの姿も映ります。
みんなもう鬼籍に入っているのが残念です。




スタン・ウィンストン様、素晴らしい作品をありがとうございました。どうぞ、安らかに🎉🎉🎉