すきだー。
引き、固定のカメラで静かに人物を観察するユーモアセンスが散りばめられている。
流れるような日常会話で、重要な意味はない言葉たち。でも、情緒がきゅっと引き締まる一点で放たれるセリフが秀逸。そこで胸を鷲掴みにされる。
流れる景色を、見ている本人と交互に映すカットは新鮮だった。集中が散漫していることをこうやって表現するのは面白い。
周りの状況に翻弄される登場人物たち、観ている側も考えがまとまらないまま、状況が進むから、考えが深まらないまま時が過ぎることに焦りと居心地の良さを感じる。その二つが共存してるのも面白い。
自制と欲の境界が曖昧な父親だが、娘との時間を大切にしようと努力する姿があって、応援したくなる。
娘と二人で笑いながら遊ぶ姿は微笑ましい。こんな父娘、いいと思う。
突然泣き出す娘。泣きたい気持ちを抑える父。不完全な二人の姿が愛おしい。
