吉良吉影

SOMEWHEREの吉良吉影のレビュー・感想・評価

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
3.7
『aftersun』に影響を与えた作品と知り、本作も鑑賞。どちらかと言うと、この作品の方が軽めであり、鬱要素が直接的に描かれていないので見やすい印象を受けた。ただひたすらに孤独感を漂わせるだけで、寂しさだけが残る。特にクレオと楽しいひと時を過ごして、別れた後のジョニーの1人の時間は寂しさが伝わってきた。
ジョニーも最初はパーティやら女遊びやらで気分を紛らわしていたのかもしれないが、結局娘といる時間が何よりも大切だったのかもしれない。間延びしたシーンが多く淡々と進むので、メッセージ性を捉えるのが難しい。正解は分からないが親子の絆は切っても切れないという風に解釈した。これは『aftersun』とも共通のテーマと言えるのではないか。娘の存在が父親に大きな影響を与える点で、女性が主体的な立ち位置を果たす。ソフィア・コッポラの十八番ともいえるテーマだろうか。

エル・ファニングの演技が余りにも自然で本当の親子に思えた。
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