矢野竜子

SOMEWHEREの矢野竜子のレビュー・感想・評価

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
3.9
早稲田松竹にて35mm。
再生(移動)と停止(宿泊、中断)の映画。
執拗なまでの冒頭の長回しカットが
それを象徴する。
ポールダンスを見ている父親は途中で寝るし、
(セックスの最中に寝るカットもある)
風船ガムが割られることで
映画は途中でぶった切られ、
映画祭のスピーチの途中でダンスが始まり、
寝るのを途中でやめてアイスを食べ、
車はホテルに戻る途中で故障、
娘はキャンプに向かう途中で
いきなり泣き出し、本編途中で退場する。
10数年ぶりに改めて見て
当時は親子愛の映画のように思っていたが
父親(しかも性依存症)の映画で歪だなと。
ポールダンスを見ている父親の切り返しが
娘のフィギュアスケートを見ている父親の
切り返しとして反復されるパートとか
なかなかグロい。
最終的にそんな依存から
解放されるって話なんだけど。
車=欲望のトリガー。