モグラ

SOMEWHEREのモグラのネタバレレビュー・内容・結末

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

地元のオシャレなハンバーガー屋の店主のお勧めで視聴。初めてのソフィア・コッポラ作品。

何でも持ってるのに何にも持っていないジョニー。対して、こんな両親の間に生まれたのに全く捻くれもせず、ただただかわいい女の子の娘クレオ。

パーティや授賞式のシーンはとても華やかなシーンのはずなのに、画面も質素でカットも少なく(ワンシーンが長い)、ノペーッとした感じ。司会者のイタリア語は翻訳もされず、視聴者も含めジョニーと共に、ただそこにいるだけという感覚を味合わされる。ジョニーの表情も絶妙に寂しい。寂しいというより、納得してない子供みたいな、無表情とも違う、顔に力が入っていない表情が印象的だった。
それがクレオと2人の時は美しく愛らしい瞬間に変わる。ジョニーがありのままに愛しい娘と居る父親に変わっていく。一緒にゲームしたり、夜中に起きてアイス全種食べたり、プールで犬神家したり。
クレオと離れ、自分には何も無いと嘆くジョニーの台詞には、クレオという娘への真実の愛と、独りでいることの虚しさを痛いほど感じさせられた。(それをボランティアでもすれば?と返すレイラのユーモアも好き笑)

最後に車を投げ出し、荒野に歩き出すジョニー。固く結んだ口からは決意のような表情も感じられたが、やっと自分の核をしれた喜びで笑っているように、喜んでいるようにも映った。
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