超空間コベ

カンニバル・マン 精肉男の殺人記録の超空間コベのレビュー・感想・評価

4.0
一応ホラーなんだけど、当時隆盛のニューシネマ的な空気を全編に漂わせた一品です。

精肉会社に勤める男・マルコスが、殺人を隠すため、さらに殺人を重ね、処理が追いつかなくなり、孤独に苛まれていきます。
そして、そんな彼を見守り続ける、富裕層の青年・ネスターとの奇妙な友情(?)。

まず、犯行現場となるマルコス自宅の立地が。
周辺は地区計画により土地整備が進み、その中で一軒ポツンと取り残された平屋。
建設ラッシュによる高級マンション群がすぐそこまで迫ってきています。
やがては“立ち退き”という、否応無しの現実が待ち受けているのです。

結婚前提の恋人も居るし、相談できる兄も居るし、世話を焼いてくれる女性も居るし、決して孤独では無かったはずの彼が、落ちてしまった闇の穴。
果たして彼自身には、最後にどの様な運命が待っているのでしょうか…?

不思議と飽きること無く、最後まで観られました。
合計6人殺してるんだけど、全員に対しそれぞれ違った方法を採っていたり。

まるで全てを見透かした様に接してくる、ネスターの存在も然り。怪しいです。(笑)
彼というスパイスが効いていなかったら、単なる猟奇殺人鬼の物語で終わっていたかも知れませんね。

現在出ているDVDでは、一部の残酷描写がカットされているのだとか。
機会があれば是非オリジナルを観てみたいなぁ。
超空間コベ

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