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ワシントンの狼男のhorahukiのレビュー・感想・評価

ワシントンの狼男(1973年製作の映画)
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狼男vsニクソン大統領!

…というアホみたいな肉弾戦を拝める人狼ホラー。ニクソン政権を茶化しまくる風刺コメディに人狼ホラーをMIXしたはいいけれど、混ざり合ってるようで混ざり合わない素材の凸凹感がクセになるようでならない不思議な作品だった。

主人公は政権にベッタリな記者。でも大統領の娘と不倫してたからハンガリーに左遷中。政権に都合の良い報道をさせるため大統領直々にアメリカに呼び戻そうとするが、空港に向かっている途中で狼に噛まれてしまい人狼化。帰国後、アメリカで大暴れすることに。

ウォーターゲート事件の告発者に見立てた女性にまずはターゲッティングし、その次は報道の検閲について大統領と議論してた女性。大統領にとって消えてくれた方が都合の良い人が狙われていくため、政府の犬的な殺人鬼を人狼に担わせるのかと思いきや、今度は警備員や黒人カップルといった人狼の目撃者を襲い始める。

そしてホワイトハウス?の地下にある謎の研究所(フランケンシュタインの怪物みたいなのを作ってる)の博士に何故か懐いたりと政治的意図による殺人要素は段々と薄れていき、最終的にvsニクソン大統領になるという良くわかんない展開。せっかく呼び戻したのに逆に襲われるっていう大統領からしたら悲しさ全開😂共産主義をアメリカに持ち込む…だったり、自身の性欲動起因の要素は自ら切り、インパクト大な謎の地下研究室は一瞬映るだけで誰も何にも言及しないまま終わったりとマジで良くわかんない笑

編集も独特すぎて基本的にぶつ切り。一番面白かったのは、電話ボックスに逃げ込んだターゲットを外から執拗に襲い続けるシーンで、ある程度襲ったらぶつ切り→急に倒れてる電話ボックスがポツンと映っているシーンへ→画面外から人狼が現れて再度襲うっていう、カットを跨いでスリルも何も繋げる気もなくシーンの連続性すら放棄した感が最高だった!

『ハウリング』の約10年前なので変身シーンも微妙で、顔を真正面から写してディゾルヴで段々変わっていくような感じを長時間かけてじっくりとやってた。何回も撮ってるから役者さんも表情に困ってる感が伝わってきて、そういうとこもサイコーだった😂ちなみにジャケ画像はめちゃくちゃ盛ってます。
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