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わらの犬のqpのレビュー・感想・評価

わらの犬(2011年製作の映画)
5.0
 脚本家のデヴィッドは妻エイミーの故郷であるミシシッピ州の田舎に引っ越してきます。都会から来たために、現地の人と上手くいかず摩擦が起き、という話です。

 この映画は非常に怖い話です。勝手なイメージですが、登場人物は全員実在しそうで偏った印象を受けませんでした。それなのに、嫉妬、誤解から摩擦が起き、殺人にまで至ってしまいます。

 田舎には、エイミーの元彼のジェレミーとその仲間、酔っぱらいのアメフトのコーチのトム、精神病のジェレミーなど色々な人がいますが、非常に狭い人間社会で独特のルールの中で生きています。

 ジェレミーやその仲間たちは高校までもてはやされていたけど、稼げる仕事に就けていない印象です。一方、デヴィッドは都会でおとなしく勉強してきていますが、美人のエイミーを妻にできた勝ち組の印象です。お金以外の力関係は変わらないので、嫉妬があって当然な気はします。

 デヴィッドが田舎のルールに従わないことに地域の人が腹を立てるのもわかります。だんだんただのからかい以上のものに発展していきます。小さい町でエスカレートしていく意地悪は怖いなと思っていました。

 しかし、最終的にデヴィッドが反撃に出ます。理性で抑えていたものが切れてしまった瞬間が描かれています。

 私はデヴィッドみたいなタイプの人間だなと思います。田舎に引っ越してもその田舎の慣習に従いたいとは思いません。嫌がらせが怖いなと思い、さらに自分が切れてしまうのは怖いなと思いました。
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