あかぬ

ラブレスのあかぬのレビュー・感想・評価

ラブレス(1981年製作の映画)
3.0
奴らは行き先なんか既にずっと前から失くしていて、着いた場所、着いた場所でここが目的地だと言い張る。

刑務所あがりの不良・ヴァンスは、刑務所で知り合ったバイク仲間と共にデイトナのレース会場へ向かおうとするが、仲間のバイクが故障してしまい退屈な田舎町で足止めを食らうことになる。そんな中顔に傷のある謎の少女・テレナとの遭遇によって事態は思わぬ方向へと向かっていく…。酒、タバコ、暴力、拳銃、セックスと好き勝手やりまくるクレイジーな彼らの出現によって、平和だった町は大混乱に陥ってゆき……というお話。

退屈な田舎町でくすぶってる不良たちがただの暇つぶしに暴走しまくる、というただそれだけの映画。たぶん彼らの行動には意味なんて全くなくて、ストーリーをどうこう語るべき映画ではない気がする。
アウトローなバイカーたちの暴走とか、コテコテのクセが強すぎるキャラクターたちなどなど、頭空っぽで楽しんで観れました。
うん、ロケンローだわ。
自分たちの領域をバイカー軍団に侵されてしまった住民たちには同情するが、彼らのファッションや生き方に影響を受けた住民も少なからずいて、保守的で退屈な毎日を送ってきた住民たちにとって突如現れた彼らの強烈な姿は、憧れに近いものがあったんじゃないか。
実際に公開当時は今作のファッションに影響を受けた人が多いんだとか。
個人的には彼らのファッションとかナルシストっぽい行動がちょっとコントっぽく見えちゃって、ヴァンスがコーヒーにやりすぎってくらい砂糖を入れた後わりと長い時間神妙な顔をして黙ってるとことか、ライダースジャケットのファスナーを上げるのが異常に早かったり、ジョジョに出てきそうなもみあげしてるお友達とか…ごめんなさい、面白すぎました…。

終始すまし顔のヴァンスがラストに見せる、少し動揺した表情は物悲しい。
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