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地上に降りた女神のHKのレビュー・感想・評価

地上に降りた女神(1947年製作の映画)
3.6
『天国から来たチャンピオン』の元ネタ『幽霊紐育を歩く』(原題 “Here Comes Mr.Jordan”)の6年後に同じ監督(アレクサンダー・ホール)が撮った続編でこちらも日本劇場未公開。
(filmaさんジャケ写の手配ありがとうございます)

配信は無さそうと思ったらYou Tubeであっさりとフル動画が見れました。画質も良好。
こちらは前作と違いカラーでしかもミュージカル・コメディ。
ミュージカルと言っても歌って踊るのは実際の舞台の上という設定ですから街中でいきなり通行人が踊り出したりはしません。

主人公はギリシャ神話の文芸を司る9人のミューズ(女神です。薬用石鹸じゃありません)の中の一人、歌と踊り担当のテルプシコラ(言いにくい)。
地上で製作中の彼女ら女神を題材にしたブロードウェイミュージカルが気に入らず、なんとかしたいけれども女神は地上に降りれない。
そこで、地上に瞬間移動ができる天使長のミスター・ジョーダンに頼むことに。
ここで前作と繋がった!スーツ姿がダンディなミスター・ジョーダンの登場です。

テルプシコラは人間界に潜り込み舞台の主役の座を射止め(なんせ本物ですから)シナリオにまでクチを出そうとしますが・・・
人間界での名前はキティ・ペンドルトン(『天国~』『幽霊~』の主人公と同じ苗字)。
主人公の女神を演じるのはこの若さですでに貫録の大女優リタ・ヘイワース(当時29歳)。
ショーシャンク刑務所のポスターでも有名ですが、歌と踊りをタップリ披露してくれます。

前作で主人公のトレーナーだったマックスは本作では主人公のマネージャーとして続投。
天使長ジョーダンのドジな部下メッセンジャー7013も前作と同じく主人公の担当天使となり、レッツゴーの号令は自分の役目だとか、瞬間移動の方法は企業秘密だとか前作を観てると笑える繰り返しギャグもチラホラ。
ただし上記二人は前作と同じ役者でしたが、ミスター・ジョーダンは別の役者(こちらもスーツの似合うダンディな紳士でしたが)。

本作のラストではいつも停まってただけの雲の上のヒコーキが飛び立つシーンが見れます。
なかなか楽しいミュージカル・コメディでしたが、本作はなんとオリビア・ニュートン・ジョン主演のミュージカル映画『ザナドゥ』の元ネタでもあるそうです。知らなかった。
・・・ということで次は『ザナドゥ』も観てみます。
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