悪魔の毒々クチビル

真夜中のミゼットデビルの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

真夜中のミゼットデビル(1994年製作の映画)
3.8
「金貨を返せ!!」

結婚の邪魔をされたレプリコーンが1000年後にその子孫をまた嫁にしようとするお話。

一応ちょっと前に投稿した「レプリコーン」の2作目ですが、シリーズの中で今作だけが全然違う邦題を付けられていて面倒くさいですね。
監督は名ホラーコメディ「アイドル・ハンズ」のロッドマン・フレンダー。

1の出来事が全く無かった事になっている今作は、かつての嫁候補の子孫へ強引に求婚するラブコメ(嘘)ホラーに!
今回のレプリコーン、勝手に候補にした女性が「3回くしゃみをしたら晴れて婚約」とか言うイージー過ぎるルールを押し付けちゃう相変わらずのハチャメチャっぷり。
俺はこのシリーズは物語順的に1→リターンズ→2の順番で観たんだけど、改めてウォリック・デイヴィス版のレプリコーンは特殊メイクも含めて個性的な仕上がりになっているなと思いました。
彼の存在がシリーズを唯一無二の妖精スラッシャー映画へと昇華させていると言っても過言ではないでしょう。

前作でちょびっとあったゴアシーンは今作でもちょびっと増えていて、顔面破壊された死体や焼け爛れた顔面が一瞬チラリズム的に映り込む仕様に。
金製品なら何でも欲しくなるので、おっさんの金歯を引っこ抜いたりリーマンの金の指輪を指ごと引き千切ったりと、やりたい放題。
四つ葉のクローバーの禁止マークが着いた改造ゴーカートで追い掛けてくるシーンが結構好きです。
でも今回はあんまり靴磨いてなかったな。
あと最初から普通に魔法も使えるけど、前作みたいなダークファンタジーな演出が無くて残念でした。が、代わりに木の奥にあるレプリコーンの住み処が昔ながらのアドベンチャー映画っぽさもあるレトロな手造り感があってよろしかったですね。

無理矢理婚約させられた可哀想なヒロインのブリジッドさん、絵に描いたようなパツキン美女ですが絶叫顔が物凄かったですね。
彼氏とその叔父は正直そんなにまともな人間ではないけど、レプリコーン相手に本で得た知識を活用しあの手この手で挑む展開は中々良かったです。途中であの人があのタイミングで欲に溺れるのも生々しくて良いね。
事の発端が金貨関係ないから、特にそっちに執着するでもないんだなと思っていたら結局金貨も盗られてブリジッドよりも金貨優先になっていく辺り、やっぱレプリコーンさんですわ。


相変わらず印象的な作品でした。3からは日本だとVHS版すら無いってマジですか。
でも3の評価もこれまた結構良さげなので、楽しみです。