ナツミオ

三人の名付親のナツミオのレビュー・感想・評価

三人の名付親(1948年製作の映画)
3.9
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞

“聖書の導きから赤ちゃんを守る東方の三博士”

『フェイブルマンズ』を観た流れで、フォード監督作品の名作を初鑑賞。
ジャンルはウェスタンではあるが、“赤ちゃん”と“聖書”という意外な取り合わせ、そしてクリスマス映画⁇
その行方は⁈

人間ドラマとしても面白かった♪♪
何回もリメイクされているのは原作の面白さからだろう。

主演ジョン・ウェイン。
銀行を襲撃し砂漠を逃走中、出産を助け、生まれた赤ん坊を託されてしまった3人のならず者を巨匠ジョン・フォード監督が描く涙と感動の傑作西部劇。

原題 『3 Godfathers』

1948年米作品カラー
製作 メリアン・C・クーパー
製作・監督 ジョン・フォード
原作 ピーター・B・カイン
脚本 ローレンス・スターリングス フランク・S・ニュージェント
撮影 ウィントン・ホック
音楽 リチャード・ヘイグマン
出演 ジョン・ウェイン ペドロ・アルメンダリス ハリー・ケリー・ジュニアほか

翻訳者 寺尾次郎

(NHK番組内容より)
銀行を襲撃した3人のならず者たち。砂漠を逃走するなか、3人は身重の女性と出会い、出産を助けるが、女性は生まれた赤ん坊を託して亡くなってしまう。名付け親となった3人は生まれたばかりの赤ん坊を連れて目的地に向かうが…。
3人の名付け親を演じるのはジョン・ウェイン、ペドロ・アルメンダリス、ハリー・ケリー・ジュニア。
巨匠ジョン・フォード監督が、サイレント時代の作品を自らリメークした涙と感動の傑作西部劇。

本作はクリスマス時期の興行を目的として製作された、宗教的要素の強い映画である。新約聖書に登場し、イエスの誕生時にやってきてこれを拝んだとされる「東方の三博士」を暗示している。
(Wikipediaより)

原作は、サイレント時代から何回も映画化されているそう⁈(忘備録へ)
そして、本作をベースにした作品も⁈
・1985年の仏映画『赤ちゃんに乾杯!』
・1987年の米映画『スリーメン&ベビー』 ※上記仏映画のリメイク。

キーワードは、
 ”赤ちゃん“ “聖書” ”東方の3博士”
“クリスマス“

生まれたばかりの赤ちゃんを託された悪党3人組が、聖書の一節から導かれ砂漠を逃避行する。
過酷な砂漠と荒野で仲間達は1人また1人と倒れていく……。

主演のジョン・ウェインは、悪党3人のリーダー格、ボブを演じる。
見慣れたウェインより若く動きもキレがある。

『フェイブルマンズ』鑑賞後だったので、フォード監督の例の助言(⁇)が頭の片隅をよぎりながら観たら、その通りの構図も頻繁に出て楽しめた。

日本人には馴染みの薄い、”聖書“を題材に取りながら、
 ”東方の3博士” よろしく、生まれたばかりの赤ちゃんを託された悪党3人の贖罪の旅を描いている。
ところどころ、聖書を引用したセリフや、聖書から啓示を受けることで、3人が善人の行いに変わっていくところが面白い‼️

終盤、酒場のピアノ演奏でクリスマス・ソングも聴けます♪♪♪
これもクリスマス映画⁇⁇

終盤の、ボブとスイート保安官のチェス・シーンと、その後の食事風景が笑える。
そして、ラスト。
待っていてくれる人や希望の持てるエンディングに、ほっこりとニッコリしてしまう。

こういうテーマは、時代が変わっても普遍的な要素があるのだろう。
フォード監督、ウェイン主演の名作でした♪♪



【忘備録】
(キャスト)
・ボブ(ロバート・ハイタワー) Bob
- ジョン・ウェイン

・ピート(ペドロ・エンカラシオン・アランゴ) Pete
- ペドロ・アルメンダリス

・キッド(ウィリアム・カーニー) Kid
- ハリー・ケリー・ジュニア

・スイート保安官 Sweet
- ワード・ボンド

・スイート夫人 Mrs. Sweet
- メエ・マーシュ

・Deputy
ベン・ジョンソン

・Florie
ジェーン・ダーウェル

・Ruby_Latham
ドロシー・フォード

・Mother
ミルドレッド・ナットウィック

・Judge
ガイ・キッビー

・Latham
チャールズ・ハルトン


【原作と過去の映画化】
Wikipediaより
・本作は、同じくジョン・フォード監督による、同一原作を元にした1919年の無声映画『恵みの光』のリメイク作品であり、1947年に亡くなった旧作の主演者ハリー・ケリーに捧げられている。なお、『恵みの光』のフィルムは現存しないとされている。

・旧作の主演者ハリー・ケリーはジョン・フォードの盟友であり、ハリーへの追悼と、その息子であるハリー・ケリー・ジュニアを世に出すということを目的に製作された作品でもある。

・ピーター・B・カインによる原作は何度も映画化されており、上記『恵みの光』以外にも同じくジョン・フォード監督による『光の国へ』、『三人の父親』、『ブロンコ・ビリーと赤ん坊』、ウィリアム・ワイラー監督の『砂漠の生霊』(1929年)やリチャード・ボレスラウスキー監督の『地獄への挑戦』(1936年)などが『三人の名付親』以前に製作された。


【関連作品】
この映画をベースにして作成された作品
・1985年の仏映画『赤ちゃんに乾杯!』
・1987年の米映画『スリーメン&ベビー』 ※上記仏映画のリメイク。
・2003年の日本アニメ『東京ゴッドファーザーズ』 ※今敏監督作。舞台を現代の東京に置き換えている。
・2006年の香港映画『プロジェクトBB』
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