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水で書かれた物語のmidoredのレビュー・感想・評価

水で書かれた物語(1965年製作の映画)
2.8
デパートの社長令嬢との結婚を控えた銀行勤めの青年。なぜか浮かない顔でぼんやりしている。実は婚約者の父親と自分の母親は昔から男女の関係にあった。美しい母親への近親相姦じみた執着心と、異母兄妹かもしれない婚約者との関係に悩みながら、なぜか色々な女にモテまくる根暗マザコン男のエロ妄想物語。

としか言いようのない作品でした。村上春樹を思い出します。

ポマード臭そうな中高年男性にすっぽんのように吸いつかれる岡田茉莉子を見ていると沈鬱な気分になります。キスシーンも濡れ場も気持ちが悪く、シーンの数だけやたらと多い。性欲全般を呪いとして描いているのは充分伝わりました。

ぜんぜん楽しくないのにそれなしではいられないという、性行為依存症の苦しい内面世界をストーリー仕立てにするとこんなだろうかと思ったりしました。

とにかくこれで2時間は長かった。テーマが自分にあってないせいか拷問のような2時間でした。それでも、映像と音楽は凝っていたので、刺さる人には刺さる作品かも知れないため、これでも点数は高めです。
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