ゆう

雨にぬれた舗道のゆうのレビュー・感想・評価

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)
4.1
安定して面白いよね

カメラがズームでショットを作っていくのは映画ではなく実践の中では良くやっている手法。
いかに効率的に撮影を熟していくかなんて考えるのは良くないけどこの暴力的なカメラとアルトマンの演出が非常にマッチしてる。

あと音声の使い方が素晴らしい。
サンディ・デニスはマイケルバーンズへはよく喋るが一歩外に出るとほぼ喋らない。
画面外音声や多重録音はアルトマンらしく、アルトマンが表面的に伝えたいものは他者に喋らせといてレズビアン、フリーセックス、近親相姦など勿論、そういうのをメッセージとして伝えたい訳でなく彼女が狂っていく礎として機能する。

叫びという音声も印象的だしカメラで暴力的に視覚を表現しつつ、音声でじわじわダメージを与えてくるような映画でした。

サンディ・デニスが首だけ何度か振り返るんだが、振り返るたびにだんだん目がやばくなってるのが良い
公園の冷たい雨に濡れた青年を見つけ何度も視線を向ける以上に、人はあえて振り返るという行為はエモーショナルな運動だし、成瀬しかり、特に本作は振り返ることが暴力的に使われているのがとても効果的だ
ゆう

ゆう