Makiko

キャット・ピープルの呪いのMakikoのネタバレレビュー・内容・結末

キャット・ピープルの呪い(1944年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

登場人物と設定だけ前作から引き継がれているが、全くの別物と言っていいくらい物語上フォーカスしている部分が違った。
子どもと、そのイマジナリー・フレンドというと『ミツバチのささやき』『シャイニング』『思い出のマーニー』などを思い出す。まあそんな感じだった。

少女エイミーに見えているもの、つまりイレーナは他の人には見えないという設定で、特に直接的な悪影響も及ぼさないため、怖さのようなものは感じられなかった。ただイレーナが確実にそこに「いる」ことは、最初からどこか落ち着かない様子でイレーナの幻影に惑わされている元夫の姿を見れば分かるので、一応「呪い」にはなっている。

同年代の子どもたちと仲良くすることができずイレーナに愛着を感じるエイミーと、娘との関係が悪くエイミーを会話の相手とすることで自分の寂しさを紛らそうとするファレンの姿は重なるが、最終的にイレーナも老婆もこの世から消えることでエイミーが解放されるというラストが切ない。過去に囚われた人間は、未来のある人間のそばにいることができない。

前作同様、B級ホラー映画という立ち位置には勿体ないほどの品格がある。イレーナの登場シーン、雪の降る森を彷徨う少女の姿、ファレン屋敷の娘バーバラにオーバーラップ的に重なるイレーナの姿など、画面の演出が幻想的な映画だった。

リュートン・バスは健在。スリーピー・ホロウの伝説が残る森の中を一人で逃げる少女に迫る「首無し騎士」のひづめの音が、実はオンボロ車のエンジン音だったという演出。
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