こぅ

キャット・ピープルの呪いのこぅのネタバレレビュー・内容・結末

キャット・ピープルの呪い(1944年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

'23 春のホラー/ミステリー祭③

ロバート・ワイズ監督の事実上の監督デビュー作(合作)で、【ホラー・ファンタジー】の良作。

【キャット・ピープル】のキャスト続投続編とされているが、ほぼ別物という趣。
元祖キャット…は、ホラー色強めに対して、本作は ホラー味は影を潜めた ファンタジー という印象を受けた。
なので、前作のようなホラーを期待すると若干肩透かしに。
脚本家は同じ。


両親の愛と理解を得られないネクラな少女、エイミー(アン・カーター)が不思議な指輪に願いを込めると、庭には“見えない友達"が現われる。
それは豹の姿から変身したキャット・ピープルの美女イレーネ(シモーヌ・シモン)である。
他の人にその姿は見えない為、ウソをついていると思われた少女は雪の降る森を彷徨う…。


冒頭の児童遠足から少女、エイミーは変わった子で、友達も出来ず孤立しているのが分かる。
パパのオリバー(ケント・スミス)にも呆れられて叱られる妄想癖があるが、決して邪悪な子ではない。
ある日、不気味な屋敷の元女優の老婆、ジュリア(ジュリア・ディーン)から願いが叶うという 指輪 を受け取る、、

エイミーの願いは、勿論友達が欲しい。

エイミーの妄想癖の原因や不気味な屋敷に住む老婆、ジュリアと同棲している実娘であるバーバラ(エリザベス・ラッセル)との関係性(確執)や老婆の持っていた指輪の謎など、イマイチ描き込み不足感は否めないが、エイミーとその友達となるイレーネ、父子関係を通したファンタジーという観点では繊細な良作と言える。
友達として現れるキャット・ピープルのイレーネは、オリバーの死別した前妻(前作で結婚していたのか)であるが、オリバーから姿は見えない。

屋敷を徘徊するエイミーのパートでは、陰影の際立つ撮影が不気味さを演出している。
剥製が不気味に置かれているのは【サイコ】に影響を与えているのだろうか⁈


エイミーに友達が出来たらイレーネは消えていく(成仏する)のだが、、
そんな優しい、ハートウォーミングなラストが見どころ。

少女、エイミー役の アン・カーター が何気に美少女でナチュラルな演技を見せてくれる(3年後の【第二の妻】レヴューでも褒めていた)。
こぅ

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