まことさん

ザ・ケイヴのまことさんのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ケイヴ(2005年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

暗過ぎ&役者の顔のアップばかりで何が起こっているのかわかりません。あまりにも暗くて映画の世界よりもモニターに映る自分の姿の方が鮮明に見えます。

常にモヤがかかったような映像。水場でクリーチャーを迎え撃とうとする緊張感漂う場面ではカメラがお水にチャプチャプ浮いたり沈んだりして気持ちよさそうです。自分の仕事を思い出したカメラが沐浴を中断して主人公たちの顔をアップで撮りますが、カメラについたお水にヘッドライトが反射してピカピカチカチカ。綺麗。何にも見えません。

カメラは常に信じられないほど揺れています。ブルブルマシーンにでも乗せているのでしょうか。

人が死に始めてからはほとんどのセリフが「落ち着け!」「動け!」の類語で構成されています。
上記2つ以外のセリフとして、物語には度々「昔助けられなかった(見捨てた)仲間」の話が出てきますが、特に意味はありません。「今度は仲間を見捨てない!」みたいなファイト1発レベルの伏線もないです。ただエピソードとして出てくるだけで、「あの時仲間が死んだのはお前のせいだー!」「また助けられなかったー!」「見捨てちゃったー!」ってワーワー言ってるだけです。なくてもいい回想シーンが意味深に流れますがゴッソリ無視していいです。

冒頭に「洞窟探検と性行為」をかけたジョークが出てきますし、洞窟の磁気にやたら敏感になったり、登場人物の一人がスピリチュアルをかじっていて洞窟の暗闇が云々…とか言うからてっきり洞窟そのものが神秘的な生命体で、俺たちはその呪いに触れてしまった!という話なのかと思いきや、クリーチャーの正体は幼くしてこの洞窟で遭難した24歳の男性でした。ラストはこの24歳男性が女性をレ◯プして終わりです。「して終わり」というか、してたら唐突に終わります。かつて見た事のない終わり方です。

冒頭で探検隊のうち2人がテントを抜け出して性行為する際に「誰かがいる」という会話をしているのですが、おそらくここで2人を見ていた24歳男性は性行為に興味を持ったのだと思います。24歳男性は幼くして文明社会と切り離されており、眼にする性行為はおおよそ野生動物のものだけだったろうに、レ◯プの体位に正常位を選んでいるのは、おそらくお手本になったのが探検隊カップルの性行為だったからではないでしょうか。

殺された探検隊のうち6人の男たちは、24歳男性が性行為するのに邪魔だった(あと食料調達)から始末されたに過ぎません。
この映画に一貫しているのは「助けるor見捨てる」とか「クリーチャーの悲惨な過去に涙」とかそんな真っ当なものではなくて、ゴリゴリの「性欲」なんですよね。
洞窟探検に来て違う方の「洞窟探検」をしているカップルを見て「俺もやってみたいかも…」と思った24歳男性が爆発寸前の性欲を引っ提げて苦心惨憺する物語なわけです。でもそこには触れずに、まるで探検隊の過去のトラウマがテーマであるかのように何度も何度も具体的に語り直すので、どうでもいいことで延々口論してるだけの映画になっています。
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