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バブル・ボーイのGreenTのレビュー・感想・評価

バブル・ボーイ(2001年製作の映画)
2.0
1976年にジョン・トラボルタ主演で制作された『プラスチックの中の青春』のパロディ映画です。

ジミー(ジェイク・ジレンホール)は、免疫システムが全く働かない身体で生まれてきたので、プラスチックの無菌室の中でしか生きられない。4歳の時、両親が家に無菌室を作ってくれ、そこで暮らしてきた。

欲しいものはなんでも与えられ、エレキギターを弾きまくっているところは意外に様になってて、ジェイク・ジレンホールってギター弾けるの?って思った。『ブラスチックの中の青春』では、トラボルタがボンボンついた帽子かぶってダンスしてたから、オマージュ?!

しかし思春期になって、隣のクロエに恋してしまう。クロエもジミーが好きで、すごい仲良しになるんだけど、過保護なお母さんは、クロエが遊びに来てジミーとイチャイチャしていると必ず掃除機をかけに来る(笑)。

どんどん成長して(いくつなんだか全くわからない)、クロエはジミーとキスとかしたがるけど、もちろんできない。それでクロエは新しい恋人マークと付き合い始める。

「どうせ自分なんか・・・」と思ってたジミーだけど、クロエがナイアガラの滝のそばの教会で結婚すると聞いて愕然とし、バブル・スーツを自作して、結婚を止めるために旅立つ!

で、中盤から後半にかけてロードムービーとなり、今まで小さな小さな世界で暮らしてきたジミーが色んな人に出逢うって設定なのだが、『プラスチックの・・・』の方が「木々の葉に初めて触れて感動」みたいなメロドラマなのに対して「犬のフン踏んじゃった!わーい」みたいな、70年代と90年代の違いですな。

音楽も当時流行りのロック/ポップがかかり、ティーン向けおふざけ映画なのはわかるのだが、旅の途中で出逢う人たちが、カルト宗教団体、小人やサイアミーズ・ツインズなどのフリーク・ショーのサーカス、アイスクリーム・トラックでカレーも売っちゃうインド人(牛を殺してしまって嘆く)、メキシコ系のバイカー・ギャングなど、現在では色んな方面の人を刺激する設定(笑)。

その中で「なんだこりゃ」って思ったのが、場所どこだか忘れちゃった(イリノイだったかなあ)けど、なんかすっごい寂れた街で、泥レスにバブル・ボーイが参加するのだが、なぜか観客がみんな東洋人男性!もしかしたら、日本の駐在員がストリップ・クラブでたむろしているから?

で、この店(Mao's Mud)のオーナーも東洋人で、泥レスに勝ったら$500貰えるんだけど、「five hundred dollars」の複数の “s” が抜けていて、ジェイク・ジレンホールも「ファイブ・ハンドレッド・ダラー!」と一緒に叫ぶという(笑)。

めちゃ人種差別的なのだが、これがアメリカ人の考える東洋人だったんだなあ。2001年でも。みなさん、複数の “s” を抜かさないように気をつけましょう(笑)。

なんでナイアガラの滝のそばの教会で結婚したいんだよ、って思ったら、この教会はあの『卒業』が撮影された教会なんだってね。同じ窓のショットが出てくる。私ナイアガラの滝行ったことあるけど、すごい寂れた街しかなかったけどなあ。なんかながーい坂があって、そこにお化け屋敷とか、いなたーい感じのアトラクションがいっぱいあるだけだった記憶が。

これ『ドニー・ダーコ』の前なんだ(笑)。ジェイク・ジレンホールはあの「子犬の目」でこの、純粋無垢なジミーを好演しているんだけど、思ってたよりヒドイ映画だった(笑)。
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