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バックストリート・ドリームズの4423のレビュー・感想・評価

3.0
早い話が裏町のチンピラが堅気になる話。こういう更生ものは基本的に冷めた目で見てしまいがちだ。なぜかといえば動機が薄っぺらいからである。女のためとか、新しい自分になるためとか、そんな御託を並べてもどうせまた手を出してしまうのでしょう?と私は思わずにはいられない。

しかし、本作の主人公ディーンはちょっと違う。金と暴力にまみれながらも家に帰れば自閉症の息子と向き合う日々。妻はとっくの昔に夫と息子に対する興味を失い、他の男と体を重ねている。「あんたの子供じゃないかもね。私が何人の男と寝たと思う?」という酷い言葉を投げ捨て家を出ていく。

『バックストリート・ドリームズ』は主人公ディーンを演じたジェイソン・オマリーが脚本を手掛けた裏町の物語だ。オマリーはとりたててハンサムという感じではないが、正直なところこの役にハンサムな顔は似合わないだろう。彼のキャリアを見ればなんとなく自伝的な要素を孕んでいるのかもしれない…とも思わせる。地味な作風ではあるが、更生ものとしてはなかなかよくできている。

ちなみに『デスペラード』のギターケースに入れたロケランを爽やかな笑顔とともにぶっぱなす人(キーノ)を演じたアルバート・ミシェル・Jr.の数少ない出演作ということで鑑賞した作品だが、どこにいたのかさっぱりであった。一応フアンという役名もあるのだがこれがマジでさっぱりであった(2回目)。
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