イペー

スタークラッシュのイペーのレビュー・感想・評価

スタークラッシュ(1978年製作の映画)
2.6
フォースじゃない何かの覚醒!

スターウォーズ人気に便乗。イタリア・アメリカ合作のスペースオペラ。

冒頭からワープ!とも言うべき大胆な力技でもって人物紹介、状況設定、諸々の面倒臭い手続きを省略。
以降もウトウトしながら書いたと思われるシナリオで、こちらの期待を見事に置いてけぼりにしてくれます。

未来で、宇宙で、イイ奴とワルイ奴が戦ってるんだな、というのが最低限分かれば良いので、疲れ気味の方でも安心。

劇中では小学生のごっこ遊びに頻発する様な、SFっぽさを感じさせる素敵ワードを駆使。
"ラジウム運びの刑!"とか"四次元攻撃"とか…。
細かいSF的考証に飛びヒザ蹴りをぶちかます潔さです。

SFXがチープなのは言うまでも無いですが、ストップモーションアニメだったり、火薬をケチった爆発シーンだったり、迫力というものから遥か遠ざかって、微笑みを誘います。

敵味方のキャラクター達、宇宙船や武器などのデザインもユルかったり、ちょっとカッコ良かったりでチグハグ。
統一感もオリジナリティもゼロですが、ジャンクな魅力に溢れているのも事実。

ドロンジョ様の様な衣装と気の抜けたアクションで、無駄にセクシーな主人公のステラ。
敵っぽいビジュアルながらC3PO以上の活躍を見せる万能ロボのエル、等々…。
頼んでもないのに記憶にはしっかり残りそうなキャラクターが次から次へと…。

物語のクライマックス、タイトルでもある"スタークラッシュ"の意味が明かされます。みなまで言わせないで下さい。
自分もそこまで野暮じゃない。

あらゆる制約から解き放たれ、無重力(無責任)に映画を楽しみたい方にはオススメのC級映画です。
語りたい面白シーンは山程あるんですが、この作品で普段よりレビューが長くなってるのも癪なので、この辺で終わります。

…スターウォーズ新作公開を心待ちにしているのは映画ファンの一員としては当然。
久々に旧シリーズを鑑賞し、来るべき時に備えて、SF脳のアイドリングでもしようかな、というタイミングで何故この作品を観たのか、自分は!
イペー

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