このレビューはネタバレを含みます
下ネタ満載の変わった作品。中島哲也さんが脚本をとっていた為に観賞。
CGによる妄想やファンタジーの演出や、ゴスロリ、派手な色使いは中島哲也さんの他作品でも見られるポイントではあるが、本作での中島さんは脚本のみ。脚本の役割の範囲がわからないのでなんともいえないが、あまり本作からは中島さんぽさは感じなかった。初期の頃の作品だからだろうか?
物語自体はけっこうハチャメチャだが、出演者の人生が重なりあう中で、それぞれの微妙な心情が徐々に露見する。
なにも考えずにただのユーモラスな映画として見ていたものが、急にセンチメンタルな物語に変わる。次は誰の物語がくるんだろうと、途中からはのめり込んで見ていられた。
物語のなかで出演者は、それぞれがどこかで自分を嫌い、痛みを感じながら生きている。
でも、それが当然なのかな~って思えた。結局のところ、この作品はハッピーエンドでもバットエンドでもない。
出演者の人生が交わって、ぶつかって、また離れて、なにも変わらずにまた新しい日々が始まっていく。
それでも映画の最後は笑顔で締められた。
どうしようもない人生の、どうしようもない自分というものが、何かの拍子に急に変わる訳じゃないし、明日からまたいつもの日常が続くけど、それでも笑顔で生きようぜーって、
少しラフだけど、そんなメッセージを受け取った。