クリーム

メゾン ある娼館の記憶のクリームのレビュー・感想・評価

メゾン ある娼館の記憶(2011年製作の映画)
3.9
衣装も娼館内も豪華で美しく、裸のシーンが多いけどイヤらしさは感じず、凄く綺麗でした。「燃ゆる女の肖像」アデル·エネルが出演してて、不機嫌な表情がとても魅力的でした。華やかな高級娼館で、衝撃的な事件があったり、危険と隣り合わせの中、娼婦でいなければならなかった女性達の強くて悲しい群像劇。時代の移り変わりが感じ取れるのも良かったです。

1899年パリ、高級娼館アポロニド。娼婦達はマダムに膨大な借金がある為、娼館を出て行く事が出来ません。ある日、 マドレーヌは信頼している馴染み客に縛らせて欲しいと懇願され応じると、男はナイフで彼女の口を切り裂いた。娼館には顔中血まみれとなったマドレーヌの悲痛な叫び声が響き渡るのでした。



ネタバレ↓



1900年3月、娼館に16歳のポーリーンが入って来た。 マドレーヌは顔を傷つけられ娼婦として働く事が出来なくなり、他の娼婦達の食事や洗濯など身の回りの世話をして暮らしている。
そんな中、家主から家賃を上げると言われマダムは、 警視総監に相談しますが決定は覆りません。
ポーリーンは、 仕事に慣れクロチルドの馴染みの客を奪い、検診でジュリーが梅毒にかかっている事が判明し、仕事から外され、病状が悪化して行きます。
娼婦の仕事が理想と違ったポーリーンは娼館を出て行き、クロチルドは麻薬に溺れて行く。 マダムは稼ぎを増やそうと、客の要望でマドレーヌをパーティーに参加させるが、それは大勢の前で見世物にされただけだった。ジュリーが亡くなり、娼館の閉館が決まると、ラストにパーティーが開かれ、娼婦達はマドレーヌの顔を傷つけた男に天罰を下すため、 常連客のペットの黒豹に男を襲わせ、復讐をした。
現代となり、娼館は無くなり、娼婦達が街角に立っていた。

高級娼館が舞台と言う事で、客も金持ちで地位のある人のみと他の娼婦に比べればマシだけど、暴力、殺傷、性病等の危険は回避出来ず、それでも働かなければいけない彼女達が、逞しいけど痛ましかった。そんな中、ジョーカーの様な顔にされたマドレーヌや梅毒になったジュリーを皆で助ける姿は、温かかった。邦画「赤線地帯」も同じ様な内容だったので、国は違っても変わらないのだなぁと思いました。当時の娼館の様子が観れて、面白かったです。めちゃくちゃ豪華だった。
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