ダイナ

アウトローのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

アウトロー(2012年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

なんか色々と惜しいと感じた。

とある無差別殺人事件にて、容疑者に一人の男が浮かび挙がる。その男の経歴や、現場の証拠が容疑者とリンクしている点が多いことから誰もがその男の犯行と疑わなかった。その男は自供せず「ジャックリーチャーを呼べ」とメモを残すのみ。男の弁護士であるヘレンはジャックとコンタクトをつけ事件の真相に迫る。

気になった点が二つ

①ジャックが調査中、とある男の家に侵入する。その家には見張りが立てて合って、合図が送られてしまい、男の連れ達が後から家に乗り込んで襲撃されるシーン。、ジャックは調査中その男たちに鉄パイプ?で後頭部をクリーンヒットされて風呂場に倒れこんでしまう。
ジャックは元軍人で放浪癖のある男。無差別殺人事件について、被害者の家族構成や現場の状況から被害者同士のつながりの可能性を推理している場面から、かなり洞察力の優れている人物だと思われる。
そんな男がチンピラ風情の男に後ろとられることに違和感。このシーンの前に5人の男を相手取って冷静に対処していたり、調査中は自分の指紋を残さないよう気を付けていたのに、ここにきて警戒薄くなったのか?と。不意打ちだが、そもそも不意打ちされない(させない)人物だと思っていた。
で、風呂場に叩き込まれて絶体絶命の場面。敵は二人でパイプを持ちこちらを睨んでいる。どうやって切り抜けるんだ?と期待していたら、相手方が興奮していて目的が定まらずパイプを壁に叩きつけたりとスカの連発、しまいには振りかぶった勢いでもう一人の頭にぶつけて倒してしまったり。圧倒的に優勢な位置についてたのに自爆。え、なにその展開?そんな雑に切り抜けるんだったらこんな状況作らず素直に一対一で戦わせてた方がモヤモヤしなかったかな。この二人がヤク中だった、とか先に倒した(手柄を挙げた)方が金をたくさん貰えるとかそういう設定があったらお互い連携しないのも分かるが。

②ジャックが罪を着せられて警察に追いかけられるシーン。激しいカーチェイスの末、町中をパトカーが見張る状況下に。徐行で車を走らせ囮にし、ばれないように車から降りてバス停の行列に身を隠すジャック。そのジャックに隣の黒人がキャップを貸してジャックの顔が隠れるようにしてくれる。そのままバスに乗り黒人にキャップを返し警察をまく。いいシーンなんだけど違和感がどうも邪魔してしまう。
違和感っていうのはその黒人が何故ジャックを助けてくれたのか?という点。赤の他人だと思うが、なんでキャップを貸してくれたの?むしろ第三者視点からこの状況を見たら、警察から追われているんだからどう見てもジャックが悪人サイドに見えるのでは?この黒人が物語の序盤でジャックに助けられていた、とかジャックの知り合いだったとか、黒人が警察に因縁を持っているため対抗のジャックに手を貸しただとかそういうエピソードがあれば納得だけど無かった(と思う。見逃してたらすいません)のでどうも違和感があってしょうがない。ここさえ気にならなければピンチを切り抜ける連携プレー!って盛り上がれたのに。

事件の状況から少しずつ誤解が溶けて、また謎が生まれていく展開はとても好みで、ジャックとヘレンがバーの真実について認識を突き詰めていく様はミステリー感強くて期待した。この映画がコメディとかファンタジーであれば気にしなかったのかもしれないが、いかんせん序盤のしっかりとしたミステリー展開に期待していただけに、上記した点が尾を引いて気になってしまった。

終盤銃捨ててタイマン挑んだのはジャックのプライドなのでしょうか。サンディへの償いや敵への怒りが混ざった気持ちで頭蓋骨叩き割ってやるとか啖呵切ってたけど、ヘレン人質に取られてるのに倒し方にこだわる余裕はすごいですね(弾が切れてた?)
ダイナ

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