まーしー

キャリーのまーしーのレビュー・感想・評価

キャリー(2013年製作の映画)
3.0
クロエ・グレース・モレッツ主演。スティーブン・キング原作。ブライアン・デ・パルマ監督の同名作品のリメイク。
超能力を持つ女子高生が、プロムで起きた事件をきっかけに、その能力を解放する。

ジャンルとしてはホラーだろう。狂信的な母親の登場や、多くの人が殺害される惨劇など、時には恐ろしく、時にはグロく描写されている。
しかし、個人的には「スクールカースト」の描写の方が印象に残った。
内気なキャリーはいじめっ子たちの格好の標的。彼女のいじめられている様子がネットで公開され、その動画が「デジタルタトゥー」として永遠に残ってしまうところに、現代社会の闇を感じる。

そのキャリーの母親(ジュリアン・ムーア)も不気味な存在。
自ら頭を打ち付ける、娘を小部屋に閉じ込めて祈らせるなど、行き過ぎた言動が目立つ。
初潮や露出度の高い服など、性に対する過剰反応も異様。
だが、このような母親が実際にいても不思議ではない。

こうした「スクールカースト」や「狂信的な母親」の存在が妙にリアル。そのため、「超能力」という非科学的な題材が上滑りしていない。
また、クロエちゃんの存在感もさすがの一言。前半は物憂げなおとなしい少女を、後半は恐怖の象徴的存在を、見事に演じ切っている。
それだけでなく、プロム用のドレス姿は目を見張るほどの美しさ。「彼女がいじめられている」という設定に違和感を覚えるほどだった。

決して評判は高くないものの、個人的には十分に楽しめた作品。
いずれオリジナル版も鑑賞してみたい。