EDDIE

人生の特等席のEDDIEのレビュー・感想・評価

人生の特等席(2012年製作の映画)
3.1
ハッピーエンドで締めくくるラストは後味も良く好印象。一方で時代のニーズに合わず、現実味が薄い。

クリント・イーストウッド主演「運び屋」鑑賞前に、彼の出演作を観ようと思い、セレクトしたのがこちら。
メジャーリーグの伝説的なスカウトマンとして実績を残してきたガス。ただ高齢になり、視力が弱まってきたことで、スカウト力には衰えが見え始めます。
また、メインテーマのメジャーのスカウトという仕事に対して、エイミー・アダムス演じる娘のミッキーともすれ違いが起こっており、この親子の絆を取り戻すこともテーマにあります。
そもそも仕事人間で、一緒に食事していても野球の話ばかり、頑固者で自分の意見ばかりを押し付ける。弁護士としてのキャリアもできつつあったミッキーは、ガスとは距離を置き、自立していくことを示唆します。
ただ、かかりつけ医よりガスの眼の病気を知らされることにより、改めてガスの仕事のサポートをしながら、親子の絆を取り戻していくわけです。
なんだかんだ親子。実は根本的な性格も似ていて、終盤の親父の口グセを我が物として扱うシーンは滑稽でした。
いやー、なんとも素晴らしい親子愛。ミッキーはジャスティン・ティンバーレイク演じるジョニーともお熱い仲となりめでたしめでたし。いい映画でした!

と感想を締めくくりたいところですが、やはりガスの勘や経験則、アナログな情報収集が、今のスカウティング力の中でも力を発揮してしまう点にどうしてもリアリティを感じることができず…
まぁかなりの高齢なので、スマホやパソコンを使いこなせとまでは言いませんが、公開年の2012年はセイバーメトリクスもすでに主流。あらゆるデータを駆使して戦略を組み立てたり、スカウティングに役立てたりという時代なわけです。
もちろんガスのように経験則で、スランプに陥った選手も親と会えばスランプから脱却するとか、データだけでは判別できないことってあるわけですが、それだけでいきなり5打数5安打!?
映画だし、リアリティを求めすぎてもダメなんでしょうけど、やはりこの辺りの決着のつけ方は、もっと現代のやり方もうまく踏襲しながら自らの経験則も活用してハッピーエンドと持っていってほしかったですよね。ミッキーが途中データをスマホで調べてたりするシーンはあったものの…

ごめんなさい、あくまでメジャーリーグも好きで観ているからこその不満点になるので、そんな小難しいこと知らんわ!映画だし大目に見て!という方はご了承くださいませ。
EDDIE

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