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華麗なるギャツビーのKtoのレビュー・感想・評価

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
3.0
【説明】
スコットフィッツジェラルドの小説「グレードギャツビー」の映像化。アメリカ文学の代表的な作品で、1920年代という華やかな時代のNYで成り上がる男(ギャツビー)の人生を、友人の視点から描いた作品。

【感想】
古典である原作小説の良質なドラマと実力派俳優陣の演技力を、過剰な演出・カメラワーク・VFX・美術・衣装によって損じてしまっている印象。

映画的なストーリーテリングよりもブロードウェイverの華やかさや音楽性を重んじた + バズラーマン監督の得意な方向へ振り切った結果なのだろう。好みが分かれる作品かもしれない。

プラダ、ティファニー、ブルックスブラザーズが衣装提供しているだけあって、本当に衣装は美しい。

ギャツビーの葛藤(田舎の貧しい家出身、密輸に手を染めていること)、トムの葛藤(二人の女性がギャツビーに奪われる屈辱、プライド)等が、先述の過剰演出によって見えなくなっている印象。

レオナルドデカプリオが大得意とする饒舌な演技も、冒頭では冴えていたものの、あまりに撮影カット数が多いため活かされていなかった。その点、ウルフオブウォール・ストリートでは伸び伸びと多弁ぶりを堪能できたなぁ…と思ってしまった。

ベイカーの存在意義も、原作であればニックの恋仲であったとのことだが、映画ではあまり描かれておらず、後半は「何故そこに彼女がいるのか」が気になってしまった。
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