tak

図書館戦争 革命のつばさのtakのレビュー・感想・評価

図書館戦争 革命のつばさ(2012年製作の映画)
3.8
有川浩の原作は読破。ミリタリー色と権力に立ち向かう姿にアツくなりつつ、ラブコメ要素に胸キュン(死語)。これ以上ない適任キャストの実写映画化とドラマも制覇。フジテレビのノイタミナ枠で放送されたアニメーション版がこれまたハイクオリティ、シリアスとラブコメが見事なバランスで素晴らしい。コミック版以外は全部手をつけた。ここ10年でこんなに関連作(「レインツリーの国」含む)に手を出した作品って、「涼宮ハルヒの憂鬱」を除いて他にはこれだけかもしれない。

本作はアニメーションの劇場版。原発テロ事件が起き、その手口があるエンタメ小説にそっくりだった。政治家がテロ防止に動いて法改正を行ったことで、メディア良化隊の権限が強化され、問題の小説を書いた作家の創作権を制限しようと身柄確保に動き出す。図書隊は作家と表現の自由を守り切ることができるのか。

原作も読んでいてかなり熱が入るエピソードで、劇場版にこそふさわしいスケールとストーリーだ。有川浩の原作のシリアスなのにキュンとくる感覚は、アニメだからこそ上手に再現できているように思える。実写版はどうしてもアクションや爆破シーン、ミリタリー色、政治的駆け引きのスリルの味付けがどうしても強い。

好きな場面がたくさん。クリント・イーストウッドの「サンダーボルト」か!?と思うくらいに銃弾を喰らいながらバリケードに突っ込むクライマックスは手に汗握る迫力。落ち込む手塚に芝崎が黙ってキスして「魔がさしたと思って。」と言いながら、それを担保に申し入れをする場面も好き。「担保が足りない」って抱きしめる手塚。うわー、その台詞使ってみたい!(こら)

この作品だけ見ると、郁と堂上教官の恋愛ムードがけっこう前面に出てるけど、ラストの郁の台詞のように、これまでの出来事の積み重ねがあってこその今なんだ。興味ある方は、テレビシリーズをまずはご覧になってから、本作に進まれたし。映画ファンには「華氏451」のエピソードが染みますぞ。
tak

tak