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白いカラスのmikumiku1188のレビュー・感想・評価

白いカラス(2003年製作の映画)
4.5
アンソニー・ホプキンスの存在感が物凄いと再鑑賞で確認しました。

この作品は実に悲しい人間の性を描いた物語でした。何気ないつもりで発した言葉で人種差別の汚名を着せられ有名大学の学部長まで上り詰めた男が辞職に追い込まれた。
年老いた夫妻は激高し。ショックで妻を亡くしてしまう。それから男は自叙伝を作家に執筆を依頼して、世間に自らの思いを赤裸々に訴えを広めようとした。
その作家と親友関係になり、自らの壮絶な生い立ちを語ると共に、若い愛人の存在を語り始めるのだったが・・・。

黒人を両親に持ちながら自らはユダヤ人として生き抜き、黒人の家族と断絶した生き方に拘った主人公。そして妻を亡くした後に知り合った若い女性との切ない恋心。
その愛を批判する周囲の理解を得られずに、愛人にも手を焼きながら最後の恋に執着していく・・。

アンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマンの暮らしが切なさをリタイヤした老人と若い人妻の安らぎのない関係を見事に演じていた様に感じました。
そして老人はラストにあのような選択をした真意は何処にあるのだろう。親友である作家が彼の思いを推測する事に私は不思議に安堵感を感じました。
A・ホプキンスの演技の素晴らしさとN・キッドマンの美しさを充分に堪能できる作品と思います
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