千年女優

アイアンマン3の千年女優のレビュー・感想・評価

アイアンマン3(2013年製作の映画)
4.0
アイアンマンとしてチタウリ撃退に成功するもPTSDで不眠症を患い不安からスーツ依存に陥るトニー・スターク。苦境の中、かつてぞんざいに扱うも脳科学者として大成したキリアンが現れて、時を同じくして謎の人物マンダリアン率いる組織のテロにより警備主任ハッピーが負傷。三度過酷な戦いに挑む彼の姿を描いたSFアクション映画です。

MCUフェーズ2の幕開けを飾ると共に、シリーズ一番人気のアイアンマンを主人公とする三部作のラストとなる本作ですが、そのどちらにも恥じぬ見事な出来映えです。『アベンジャーズ』で「スーツがないと何もできない」と揶揄されてしまった彼のアイデンティティの根源には、いち科学者として常にprogress"進歩"を目指す姿勢があります。

そんな主人公の個人の葛藤を「テクノロジーは人類にとって神か悪魔か」という人類が抱える普遍的な命題へと繋げるヴィラン設定とストーリー展開は非常によく作り込んであり、結局ハッピーやペッパーを直接は救えていない点で微かな疑問は残りつつもアイアンマンとは人の叡智の象徴である創意工夫の体現者だと力強く宣言する一作です。
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