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アイアンマン3のmuscleのレビュー・感想・評価

アイアンマン3(2013年製作の映画)
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めちゃくちゃ変な映画で素晴らしい。男の子のおもちゃスーツをうまく使いこなせない元カノと今カノをニヤニヤ見つめる主人公、助け出してるときの雰囲気がなんだか百合の間で挟まる男ミーツなろう系の雰囲気。
さらには縛られた半裸の女の前で男同士イチャイチャしながら蒸し焼きプレイになりかかって「熱い!」だなんて……。亀の甲羅焼きみたいだね、なんてエロいというか、NTRそのものというか、熱あるときに見る悪夢みたいなごった煮の断片が心地いい。異様に長く蛇足にしか思えないショタとの絡みがなければ本当にいい映画だと思うのだけれど。

3D的には語り草になってる空中救出シークエンスの書き割りのような青空をバックにぐるんぐるんカメラが回転するのが目に心地いい。しかもこのシークエンスあたりから明らかに映画のカッティングスピードがあがる。ラストも高低差を強調されまくった夜の明るい工場を舞台に。下品なステレオ写真みたいな立体感マシマシのパンフォーカスが3D映画そのものみたいなカメラワークで嬉しい。ターンXみたいな分離変形合体も煙幕の中からの登場も、目に心地よく気持ちいいアクション。これかなり素晴らしい3D映画じゃないですか?

ビンラディンどころか、アブグレイブの虐待を思わせるフッテージをいれるあたり、ハリウッドの懐が広すぎてこっちがヒヤヒヤしてしまう。それすらもファイトクラブ的な男の子の成長物語に回収してしまう。全部チープだし、ウェルメイドとは到底言い難いけど、語りがいのある映画だと思う。
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